水道用語収録目録:SS浮遊物質

名古屋水道修理隊

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SS 浮遊物質
「SS」は、水質や排水処理などの分野で使われる一般的な略語であり、"Suspended Solids"(浮遊物質)を示します。これは、水中に浮遊している微小な固体の粒子や物質を指します。これらの粒子は水中に浮かび、視覚的には見えないことが多いため、「浮遊物質」と呼ばれます。
具体的には、排水や汚水処理の際に、水中に含まれる固体物を測定する際にSSが用いられます。これは水質の汚染状態や浄化処理の効果を評価するための重要な指標です。高いSS値は、水中に多くの浮遊物質が存在し、水の透明度や品質が低いことを示し、逆に低いSS値は比較的きれいな水を示します。
SSの測定は、環境保護や衛生管理、水処理プロセスの最適化などに役立ちます。水質のモニタリングや水処理プラントの効率的な運用に重要な情報を提供します。

水道配管におけるSS浮遊物質とわ
水道配管におけるSS浮遊物質とは水中に浮遊する微細な固形物のことであり主に水道水や排水の品質に影響を与える要因のひとつとして知られている。これらの浮遊物質は泥や砂、鉄サビ、微生物の死骸、有機物の破片などさまざまな成分を含み、配管内部に蓄積することで水質の悪化や流量の低下、さらには腐食の促進を引き起こす可能性がある。特に老朽化した配管では内部の錆が剥がれ落ちることでSSの濃度が高まり、赤水の発生原因となることがある。加えて、配管の摩耗や破損によって外部から異物が侵入すると、SSの増加により水の透明度が低下し、衛生面にも悪影響を及ぼすことが懸念される。水道水中のSS濃度が高いと塩素消毒の効果が低下し病原菌の繁殖リスクが高まるため水処理工程においてSSの管理は非常に重要である。一般的に、水道水の浄水処理では凝集沈殿やろ過によってSSを除去するが、配管内に沈着したSSは流速の変化によって再び水中に混入し濁り水として供給されることがある。このため、配管の適切な維持管理が求められ、定期的な洗浄やフラッシングによって内部の沈殿物を除去することが必要となる。特に長期間使用されていない配管ではSSが堆積しやすく、水を再び流した際に濁りが発生することがあるため、使用前に十分な通水を行うことが推奨される。さらに、配管の材質によってもSSの発生量は異なり、鉄管では腐食によるサビの剥離が発生しやすいが、樹脂管では比較的SSの発生が抑えられる傾向がある。配管内のSS濃度が高くなると給水機器にも悪影響を及ぼし、蛇口のフィルターやシャワーヘッドの目詰まり、給湯器やボイラー内部のスケール堆積などが発生することがある。これにより機器の性能低下や故障のリスクが高まるため、水道配管の清掃や適切な水質管理が欠かせない。また、SSが多く含まれる水は味や臭いにも影響を与え快適な水利用を損なう要因となるため、浄水器の設置や定期的なカートリッジ交換によって対策を講じることが重要である。特に飲料水として利用する場合、SSの過剰な含有は水の品質基準を満たさない可能性があるため、水道事業者による水質検査や配水管理の徹底が不可欠である。さらに、災害時には水道管の破損によってSSが急増し水の安全性が低下することがあるため応急給水時には濁り水の除去や浄水処理を適切に行うことが求められる。近年では配管内のSSを抑制するために耐食性に優れた材質の配管が採用されることが増えており、特にステンレス管や耐腐食性樹脂管などが普及している。また、水道配管の老朽化が進んだ地域では更新工事が計画的に進められSSの発生を抑える取り組みが実施されている。水道水の安全性を確保するためには、配管内のSSを適切に管理し定期的な水質検査と適切なメンテナンスを実施することが不可欠である。